校長あいさつ

常に自問自答したい「何のためのスポーツか?」

おおたスポーツアカデミー校長 戸塚隆弘

 おおたスポーツアカデミーは、平成12年開校以来、各競技団体や市内各小中学校、指導者や保護者の方々など、たくさんの皆様の多大なるご理解とご協力があり、30年度で18年目を迎えた。その間、杉本伸夫副校長(当時、校長は設置者である清水聖義市長)が基本設計から基礎固めを行い、竹吉弘校長で改革、改革を繰り返しの大発展を遂げ、戸塚隆弘校長の抜群かつ冷静な舵取りで安定期・充実期を迎え、今日に至っている。歴代の校長のそれぞれの功績を思うと、「荷の重さ」そして「任の重さ」を痛感してしまう次第だが、繋いできた貴重な襷をしっかりとかけて、走り出したい、そんな思いである。

 さて、29年度を振り返ると、まず思い浮かんでくるのが、平昌オリンピックでの日本選手の活躍である。フィギュアスケート、スピードスケート、カーリングなどでのメダルラッシュの光景は、感動もしたが、非常に爽やかな風が吹いたような、清々しい思いがした。私の世代だと、オリンピックといえば、1964東京やメキシコ、ミュンヘンで、バレーボールや体操、マラソン、柔道、レスリングなど「お家芸」といわれる競技で、選手と指導者の悲壮たる努力と根性で勝ち取ったメダル、というイメージである。ところが、平昌をはじめ、最近のオリンピックを見ていると、指導者は選手の個性や主張を尊重し、選手は指導者の方策やマネジメントを理解しようとし、まるで一つの目標に向かう研究チームの仲間というか同志のような関係に見えてくる。「爽やか感」があるのは、このためだろうか? もちろん、かつての育成方法においても大きな戦果を挙げ、今日の日本スポーツの礎を作ってきた。現在でも、常人では想像もつかない、大変な努力と苦労があるだろう。いずれにしても、育成方法をはじめとするスポーツ界を取り巻く環境は、日進月歩で変わってきているということである。

 2017年のスポーツ界や角界は、暴力や体罰、パワハラなどの不祥事も相次いだ。特に、ライバル選手の水筒に違法薬物を混入させたという事件は、聞く耳を疑った。そのとき、鈴木大地スポーツ庁長官が述べた、「我々は、何のためにスポーツをやっているのか、もう一度よく考えなければならない」という言葉が印象的だった。おおたスポーツアカデミーの一層の発展を目指していく中において、私はこの言葉を、決して忘れてはならないと思う。それと同時に、アカデミー指導者、受講生と共に、スポーツの素晴らしさを味わっていきたい、そんな所存である。

 おおたスポーツアカデミー校長  吉井 均